liddell the teaching dog 78 叱られ体験はたいせつ。
4日間のセミナーでショートしそうな頭が、ようやくいつもと同じポケラッとした状態に戻りました。
人間、CPUの使いすぎはよくありません。
ゆらぎ、あいまいさは、生き物がもつ、いろいろなストレス回避の一つの方法だそうですよ。
さて、みなさんの犬は、子犬時代に同族に叱られたことがありますか?
とくに、年上の犬に教育的指導の叱責を受けて、育ったかどうかです。
画像の右のトライのコーギーはゴンタ(5か月)で、Liddellのよく遊ぶ仲間の一番年下の子です。
この画像は、Liddellが水を飲んでいるところにゴンタがやってきて、Liddellにお水を分けてもらおうとしているところです。
この小さな子でも全身から発している犬語のシグナルを読みとることができます。
ゴンタは、ちゃんとLiddellに、「ぼくにもお水をください」と、礼儀正しく犬語で伝えているんですね。
Liddellは、視線をはずしてそれを受けいれてますね、「いいわよ、お飲みなさい」
少し前まで、いっしょに水を飲もうとして器に口を入れては叱られてたゴンタですが、相手の順位を確認し、上手く犬語で自分の気持ちを伝えることができるようになりました。
人の社会も自分より年上の経験をつんだ大人な人に、教育的な指導や叱りを受けながら育っていきます。
子どもの頃、一度も大人から叱られたことなく育てば、鼻もちならない人間に育つことがあるように、犬も同じように鼻もちならない犬に育つ気がします。
また、同族の叱りの表現をしらずに育つことは、人からの教育的な叱責にも過剰に反応し、怯えたり、傷つきやすかったり、弱いものをいじめるようにもなりますし、逆ギレするようにもなるそうですよ。
もちろん、その子の気質や性格によっては、叱り方を変えなくてはなりませんが。
同族に叱られても、また、遊んでもらえらり、礼儀正しくふるまえばだいじょうぶだと学習できれば、犬は、対立回避のシグナルを小さな子犬時代から使えるようになるんですね。
犬と犬とのこの関係には、人が頼り過ぎるフードトリーツの関係は存在しません。
Liddellは、一度たりとも、ゴンタにおいしい食べ物などふるまったりはしてません。
ごちそうしてあげられるものは、せいぜい水ぐらいのもんです。
同族に叱られる経験があるということは、人からの教育的叱責を受け入れることができるということなんですね。
ゴンタのように、同族に叱られても、また、同族との遊びやふれあいを求めるということは、それだけ、信ずるものが多いこと、少々つらい目に遭っても乗り越えられる自信が育まれていくということですね。
同族との叱られ体験、とても、大切なものですよ。
また、 食べ物がないと、犬をコントロールできないと思いがちな飼い主さんには、この、犬同士の関係をよく観察して見るといいかもしれません。
彼らには、場合によっては食べ物によって壊れる関係もあるんですよ。
確かに犬にものを教えるには、そのモチベーションをあげるための動機づけの一つとして、または、正当な報酬として、犬の行動を引き出すルアーとして、その場を和やかにするアイテムとしてのフードトリーツは欠かせません。
しかし、最終的にはフードトリーツには頼らない飼い主にならないといけないのではと、思っています。
犬同士の関係には、その答えが詰まっている、そんな気がしてますよ、へちまこは。
PUPSの専属トレーナーの藤村亜希子さんが、チカを連れて久しぶりに来てくれました。
藤村トレーナーさんは、近ごろ、めでたく結婚し、その結婚お祝いとして、リクエストされた圧力なべをへちまこのうちまで、わざわざとりに来てくれました。
おたがい、そんなに遠く離れてませんがね。
それで、チカとLiddellと、圧力なべとで、記念撮影です(無機質な鍋の存在が変ですよ)
藤村さんには(もう藤村さんではありませんが)Liddellがいちばん大変な時に、公私ともどもお世話になりました。
Liddellのリコールのトレーニングには、いろいろとアドバイスもくれました。
99%の確率のリコールは、亜希子さんなくては語られません(ノントリーツですよ。へちまこはリコールができない犬、1秒~2秒以内に飼い主のリコールの声に反応しない犬はオフリードにするべきではないと、思っています。)
トリーツなしだから、99%なんです。もちろん体罰では、この確率はありえませんからね。
Liddellにはトリーツよりも、ほしいもの、やりたいものがあって、トリーツが一番のごほうびにはならないことが多々ありましたから。
そのころの、彼女の存在は頼もしいものでした。
Liddellは、久しぶりに会ったチカを覚えていたし、チカもLiddellを覚えていてくれました。
チカは、亜希子さんのところに来るまでに、あまり良くない環境にいて、咬みつく犬として扱われてました。
でも、今は、亜希子さんともども幸せを手に入れたようですね。
弱虫でへタレなチカを、いつも、かばっていたLiddellですが、もう、その必要はなくなったようです。
どうぞ、末永く、幸せで祝福に満たされたふたりと一匹、そして、いずれ家族がふえますように、と、お祈りしたしております。
料理の腕、上げろよっ
では。
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コメント
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こんにちは。
ハーネスのことをお伺いした者です。
おかげさまでハーネスにもすっかり慣れ、先日からフリース・ラインド・ハーネスになりました。
しっかりと包み込む感じがとても良いです。
今朝、散歩中、若いゴールデンと会い、意気投合(笑)
激しく遊びましたが、リードが張っても首や体に強い衝撃がないので、安心して遊ばせられました。
リードが脚に絡みにくかったようにも思います。
ダンバー博士のセミナーの記事もとても興味深かったです。
へつらう犬・・・たしかに・・・。
99%のリコール。どのような方法でなさったのかとても興味深いです。
教えていただくことはできますか?
いつも質問ばかりですみません~!
投稿: ルークママ | 2009年6月29日 (月) 16時15分
ルークママさん、ご訪問ありがとうございます。
ハーネスにも慣れたとのことで、仲間が増えたようでうれしく思いますよ。
私もへつらう犬は、ずいぶんと育ててきたように思います。
現在は、競技会から離れたのでその必要はなくなりましたし、ずいぶん犬に辛いことを自己満足のために強いてたようにも、今は、感じてます。
人は常に、他の動物よりも優位に立ちたいと思う、動物だそうですよ。
で、99%のリコールは、負の罰(体罰ではありません)のみを使います。これは、予め、あなたの存在を、ある程度、犬が特別な存在としてとらえているレベルまで引き上げておかないとうまくいかないかもしれません。
申し訳ないのですが、これ以上の説明は差し控えさせていただいてよろしいでしょうか
では。
投稿: へちまこ | 2009年6月29日 (月) 22時32分
ダンバー博士のセミナーの話、とくに成犬グループの話は興味深いです。 仔犬であれば育成の幅広さがありますが、凝り固まった成犬だけは別ですからね。
成犬との関係作りは誰でも簡単に出来る訳ではないことも、成犬と接する楽しみだったりします。
そして、99%のリコールの話も興味深いです。
記事を見た瞬間、正の強化が鍵かと思ったのですが、
ルークママさんへのコメントを見てちょっと以外でした。 なるほど~ 負の罰ですか!
ということは、飼い主の存在自体が鍵であることになりますが、そう思った矢先にこのコメント一文・・・
>これは、予め、あなたの存在を、ある程度、犬が特>別な存在としてとらえているレベルまで引き上げて>おかないとうまくいかないかもしれません。
リコール率99%とまではいかなくても、この時点で
一般飼い主にとっては相当なリコール率の高さであることになりますよね。
それを99%まで持っていくとは、さすがプロ同士の話は次元が違います。
あっ、この件については企業秘密でしょうから、何も答えなくてOKです。(^^)
投稿: タローの主 | 2009年6月30日 (火) 22時02分
こんばんは、タローの主さん。
小田原からのご無事なご帰還、なによりです。
ダンバー先生は、成犬のクラスなどやめたいと、思っていたそうです。
でも、シェルターからの成犬を迎える家族が増えるに従い、そうも言ってられないと、始めたそうですよ。
子犬のころのようにキラキラとした瞳に戻り、人を見上げる犬なったとき、ダンバー先生は、やはり、ただもんじゃあないと、思いました。
99%のリコール率は、Teachingさせる場合の必須です。クリッカーやトレーニングディスクのトレーニングでは、その場の犬のシグナルに対して間違った感情やシグナルをシェーピングさせてしまうこともあるそうです。また、食べ物によるリコールは、食べ物のためにTeachingする犬を作りかねてしまうそうです。
一般の飼い主さんは、食べ物によるリコールが一番だと、思いますよ。
タローの主さん、勘がいいですね。
さすが~~ぁ
99%は、飼い主がカギなんですね。
ただし、負の罰は即効性がありませんから、結果を急ぐ人には不向きかも。
でも、その確実性は99%です。
では、この辺で…。
投稿: へちまこ | 2009年7月 1日 (水) 00時02分
コメント送信失敗したかもしれないので、再送信致します。
なるほど~! そこでひとつ疑問が・・・
その「負の罰」は、負の強化的な要素も含むのでしょうか(?Q?)
そして、リデルとチカと圧力鍋のショット、いいですね。(^^)
とくにリデルの表情、ティーチングしているときとは違う真ん丸の可愛い目つきが印象的です。
投稿: タローの主 | 2009年7月 3日 (金) 08時32分
あっ、何を寝ぼけて質問してるんだろう。(汗)
要素というより、それそのものですよね。(自爆)
投稿: タローの主 | 2009年7月 3日 (金) 13時22分
タローの主さん、今、コメントしていたところです。
正の強化(うれしいことが始まる)
負の罰 (うれしいことが終わる)
正の罰 (いやなことが始まる)
負の強化(いやなことが始まらない)
う~~、難しいですね。
何度聞いても、テキスト片手に悩みます。
私は、リデルにとって「うれしい存在」なんです。でも、他の犬と遊ぶこと、Teachingしたいこともリデルにとってはうれしいことなんですが、私の存在のほうが、今は、彼女の重要なことベストテンの第一位に輝くことができるようになりました。
そこがカギでぇ~す
投稿: へちまこ | 2009年7月 3日 (金) 14時16分
「叱られ体験は大切」本当に実感したんです。
ふと考えると 小型わんちゃんへの接し方 初めての挨拶後の対応 もう遊ぼう遊ぼうの連発? いつも遊んでくれる年上のわんちゃんには甘え放題(私が悪いのですが)
こんな中途半端な知識の飼い主では 大型犬を飼う資格がないなと・・・
でも今は 違います。
リデルちゃんに再会できた!
F先生にご指導をしていただいている!
そしてなにより私には 生のへちまこさんに毎週会える!
キャンディも楽しそう 私も楽しみ!
反省はいっぱいあるけれど 半歩・・一歩きっと前進しますから よろしくお願いします。
追伸 ベル特訓・・いえいえ「お手」学習がんばってまぁす。右と左が逆転してしまいましたが・・
投稿: candy | 2009年7月 4日 (土) 09時47分
candyさん、こんにちは。
犬同士の叱り方を見ていると、人間のぐちぐちとした厭味ったらしい叱り方って、無駄だなと感じてます。
ただ、叱れば犬が人の指示に従うかと思えば、そうじゃないんですね。
犬が、飼い主さんの指示を理解してもらうには、犬にどう慕ってもらえるかが、大切なんじゃないかなと思ってますよ。
キャンディは、いろいろな人、犬に受け入れられてきたから、今のすてきなキャンディがいるんですよ。
リデルに叱られても過剰に反応しない。
でも、どうしてなのか考えている。
そんなキャンディに毎週会えるのが、楽しみですよ。
投稿: へちまこ | 2009年7月 4日 (土) 14時52分