Liddell The Teaching Dog109 犬を見てればわかること、続き。
更新できない日々でみなさんにはご心配をおかけしてますが、へちまこのうちには今、子犬がいるんです。
だから、毎日、忙しいです。寝不足です。
名前はマルメロ。犬種はミニチュア・ダックス・ロング ♂ 約2ヶ月半です。
ダンナくんの同級生の娘さんのママ友が、念願かなって子犬を迎え入れたのですがひどい犬アレルギーが発覚
呼吸器にも反応が出て、ドクターストップに。で、へちまこが緊急保護しました。
元飼い主のお宅に引き取りに行った日は、双子の幼稚園児の女の子に大泣きされて忍びなかったのですが、ママの状態は毎日点滴するほどでこれでは育児や家事に支障が…で、保護です。
子犬がうちにいるってことは、それだけで幸せで、毎日、大変であっても心が和みますね~。今回の保護はダンナくんのお友だち経由ですから、ダンナくんの積極的なサポートを期待したいところです
子犬と大人犬(親以外)の関係を観察できることは、子犬がどんな経緯をたどって社会性の学習していくかをリアルに観察できる絶好の機会なんです。
で、ちかごろ「叱らないしつけ」を真に受けすぎて犬の行動をすべて許す飼い主が多すぎるのではと感じています。
ああ、でもね、叱るというと、すぐ殴る蹴る怒鳴る威張るを想像しないでくださいね。
それは叱りではありませんから、そこんところは思い違いしないでくださいね。
マルメロは2ヶ月間は母犬のそばにいた子犬ですから、安定した気質で初心者の方にお勧めの個体です。ナビつきの子犬ちゃんですから、人がよほどの間違いを犯さない限りすばらしい家庭犬に育つと思いますよ。
物おじがなく、チャレンジャーですがそのやんちゃさは穏やかなほうです。物おじがないという別の側面は押しが強いとも受け取れますが、人や他犬がマルメロの行動を制しても受け入れてくれる素直さがあります。
でも、一つだけこの子に足りないものがあるとしたら、それは叱責されること。
それをこれからリデルやワンダー、アリスから学んでいくことになります。
叱られること、行動を止められること、拒絶や拒否…人の言葉的な感覚からすればマイナスなイメージですけれど。
でも、同族間で叱られずに育ってしまった子犬は叱られていることを理解できず、人からの叱りを恐怖、攻撃と感じてしまう子が多いのです。
小学校で先生が子どもの行動に注意喚起しただけで、いきなり殴りかかられたり、イスを投げつけられたり(私の子どもが小学校のころ、今したね~こういう子)まぁ、いわば逆切れですね。で、このような子の保護者が父母会に出てくると叱らないで育てるようにしているというんですね…これも思い違いではと思うんですよ。
行動を止められることに逆切れタイプのイラつきからの噛みつき、叱られ体験が少なすぎて叱られると過剰反応を起こしての噛みつき。
これらは、正常な同族間での社会性を学習する機会を逸してしまった子犬に多く見受けられると思っています。
また、あまりにも幼すぎる出産での母親の指導力のなさ、早すぎる離乳と親兄弟との別離がより不安定で自信のない子犬を生み出しているようです。
学習してない親は、自分で産んだ子どもにそれらを教えることはできないんです。同族に叱られるという体験、行動が改まらいなら拒絶されるという学習ができていなような子犬だから、むやみに子犬を叱るななんですよ。また、人の叱るポイントがずれているし、叱った後のフォローもないから子犬は恐怖しか感じられず、次に叱られそうになったら噛んで退けようとするのです。
そして、ほめるて育てるのは簡単そうで、案外難しいのは、叱らなければならない行動を人がよくわかってないからではないのかなと、思っています。
叱るというよりも、注意喚起を与える意味で犬の行動に介入しコントロールすることは、リデルと子犬たちの関係を見ていると非常に大切なことだと思うのです。
リデルを見ていると、これほど天性を楽しむ犬はいないのだろうと思う。
そして、その感情表現の豊かさは、そのままリデルという犬のTeachingの定評を語っていると思う。
小さなマルメロであっても、同族との遊びのなかで礼儀や流儀に反するとことがあれば、リデルは手抜きなく叱る。
たぶん、リデルが子犬を叱るのを見れば一般の飼い主はひどい犬だと思うだろう。
まだ、ほんの子犬ちゃんなのに、と、思うだろう。
でも、リデルよりもマルメロの行動を見ていればわかるのだが、マルメロは決してリデルに怯えない。叱られてもその時にはしまったぁ~という表情はするが、また自分からリデルに遊んでほしいとねだるのだ。
むしろ、次は、その叱られたたり、拒絶された行動をしないように注意深くなるし、リデルが叱るという実際の行動に移る前に自分を正そうとするのだ。
わずか、2カ月の子犬でも、だ。
つまり、リデルからの直接的な行動に出る前のシグナル…注意喚起を読みとれるようになっていく。
そう、かすかな犬のシグナルに注意を向けることを学んでいくのだ。
そして、実際の直接的な無駄な争いを避けるようになっていく。
ここが重要なのだ。
これを学習させてほしい。
人も学んでほしい。
で、思う存分、遊んであげる。
心より犬であることを楽しんで、噛みつき遊びを繰り返す。
噛んでいい場所、イケナイ場所。していいこと悪いこと。
楽しい遊びが中断しないで、長く続いてほしいから、ルールを守ることを学ぶ。
そして、目上のものに対する礼儀も学ぶ。
人は、ただ抱き上げるだけであったり、かわいい洋服を着せて楽しんだり、自己満足的に可愛がる人が多い。
犬らしく遊ばせてあげてほしいと、いうと、怖い顔をするからいやだとか、動物的で嫌だという人もいる。
マルメロ、もうここにいる必要はないね。
人へのジャレ噛みもひどくないし、痛みを知っていて「痛い」というと、すぐに正してくれる。
いいバランスで人も犬も好きだし、幼いけど人への敬意もある程度学習してるし。
ここにいてもいいけど、君みたいな子は犬と暮らす楽しさをひとりでも多くの人間に伝えてほしいなぁ。
それが君へのリデルからの使命だよ。
(マルメロの譲渡は、只今、お受けしていませんのでお問い合わせはご遠慮ください。)
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はじめまして。
ここ最近こちらのブログに出会い、とても興味深く読ませていただいております。
きっかけは、オーストラリアン・ケルピーを飼いはじめ、ロゼッタちゃんが検索にヒットしたためです。そして、犬の社会性の学びについても興味があったため、ティーチングドッグという存在にも惹かれました。
へちまこ様とリデルちゃんは、一般の飼い犬にはティーチングしていらしゃらないのでしょうか?
参加できる教室があれば伺ってみたいのですが、教えていただけますか?
今現在、生後3ヶ月ちょっとで、犬の社会性を身につけられる大事な時期です。兄弟犬とは一緒に過ごしていたのですが、年上の子との接触が無かったので補ってあげたいと思っています。
一つ質問をお願いしたいのですが、この犬種のせいなのか、家にやって来た2ヵ月半の時点でもジッと目を見る仔でした。私の少ない経験では2ヶ月も過ぎればそんなにじっと目を合わせないものだと思っていて、意外だったので気になっていたのですが、ちょっと前の記事にアイコンタクトのお話しがありましたよね?牧羊犬とか犬種とかで差があるものでしょうか?
よろしくお願いします。
投稿: クークママ | 2010年8月13日 (金) 14時17分
クークママさんへ。
はじめまして。
こんにちは。ようこそいらっしゃいました
3ヶ月のケルピコちゃんと暮らしているんですね!
ああ、懐かしです。
ロゼッタを思い出しますよ~。
>一般の飼い犬にはティーチングしていらしゃらないのでしょうか?
参加できる教室があれば伺ってみたいのですが、教えていただけますか?
一般のワンコ達にもおこなっていますが、詳細はメールでお願いしています。Teachingは個人セッションとなります。教室は集団です。こちらはボランティアの仲間と年2回、前期後期で6ヶ月ほど開催しております。こちらも詳細はメールにてお願いしております。
クークママさんのケルピコちゃんも今から6カ月になるまでには、それこそいろいろなことを経験させて、人の社会と自分を取り巻く環境への社会化、それに犬の社会への社会化を良い形で経験させことが必要だと思いますよ。社会化の扉は閉まりやすいし、閉じてもこじ開けるのは可能ですがそれよりもこれからの3ヶ月間が大切な時期ですね。良い先輩犬、良い犬友だちに出会えるといいですね。
>一つ質問をお願いしたいのですが、この犬種のせいなのか、家にやって来た2ヵ月半の時点でもジッと目を見る仔でした
ケルピー達は羊を目を使ってコントロールするそうなのでもともと持っているとは思いますが、犬語では相手をじっと睨むのは失礼な行為にあたります。
同じ牧羊犬カテゴリのボーダーもそうですし、リデルも犬以外の動物にすることもあります。
また、もともと人側の犬もじっと人を見つめることが多いと思います。
まだ犬語が不完全な子犬ちゃんもじっと見ることが多いような気がします(これは今いるダックスのマルメロがそうですね)
犬語的に失礼であっても、人との共同作業においては必ずトレーニングすることですので、どのくらいそれを強化するかでしょうかね。
では、メール、お待ちしてますよ~ヽ(´▽`)/
投稿: へちまこ | 2010年8月13日 (金) 16時48分