セミナー「動物を介在させた子どもの教育」から。
2010年10月16日…「ひとと動物の関わり研究会 http://www.yourou.com/director.html 」から講師をお招きして、第26回かわさき犬・ねこ愛護ボランティアセミナーが3年ぶりに開催されました。
講師は。会の副理事長でもあり、自身も動物介在に現役で携わり続ける 的場美芳子先生。
教育の場に人以外の動物を介在させる理由とは?そのメリットとは?またはデメリットとは?そして、動物の存在の力を借りることは子どもたちにどのような影響を与えるのか?
テーマは、深かったです。
すべては無理ですが、一部分をご報告します。
(というか、へちまこが気になった部分を独断的拡大でお送りします)
へちまこは以前、HSUS(アメリカ人道協会)のランダル・ロックウッド氏の「ファーストストライクキャンペーン」の講演会を聴講しました。
「最初の一撃」と訳されるこの講演会は、虐待に及ぶ最初の一撃を止めなければならないという運動です。
今回の的場先生のセミナーを聴講していて、へちまこは、この「ファースト・ストライクキャンペーン」を思い出しました。
子ども時代に経験する動物たちとのかかわりが、子どもたちの健やかな成長の助けとして存在するためにも私たち大人は動物介在に対してとても注意深く手助けをしなくてはならないのですから。
子どもの心から沸きあがるもの
子どもはもともと無垢であるが故の残酷さを持ち合わせています。
子どものころ、割と簡単に他の小さな動物の命を奪う時期が誰にでもあったはずですね。
へちまこもよくやりました。
一番はアリンコ…踏みつぶし、水攻めにし、塒にマッチの火を入れたり~ι(´Д`υ)アセアセ
でも、ある日、「なんだか、こういうことって気持ちが悪い」…そう、嫌悪感が生まれるわけです。この嫌悪感が子どもの中から生まれてくることが大切なのだそうです。
大人は、つい、子どもに優等生な答えを求めがちで、それは本当の意味での生き物の命をむやみに奪うことへの罪悪感を育むことはないと言います(高学年になると大人の期待に応える答えを出してしまうので子どもの本心は見えなくなる)
「そんなことをするのは悪い行為だ」と、大人が言ってやめさせることは大切ですが、それは大人が答えを教えてしまったということになります。
金魚が死んだとき。
虫を踏みつぶしたとき。
犬に石を投げたとき。
その子どもが本当に感じたことが大切なんですね。
大人に言われたから、それはいけないこと…と、捉えさせるより、その時にその子どもの中からわきあがってくる、ものです。
そして、よく大人が使う「そんなことしたらかわいそうでしょ」と、言うのも、大人的な考えです。
かわいそうは、相手を見下した言葉だといいます。
ものの命を奪った大方の子どもが『なんだか気持が悪い』と表現する時にそれはなぜかを子どもに考えさせることの大切さを忘れて、大概の大人は『そうじゃなくて、かわいそうでしょ』と、もっともらしい答えを出してしまう。
もし、この子どもが『すっきりした』という表現を使ったら?
その子どもはすでに虐待を経験しているのかもしれません。
または、その家族内で、身近な大人の暴力行為を見ているのかもしれません。
一見、『気持ちが悪い』という言葉は、相手を排除しているようにも聞こえてしまいますが、子ども(低学年)特有の心の痛みの表現のようです。
もし、この言葉がなくて単に『むやみに命を奪うのはかわいそうだから悪いこと』で終わってしまったら、規範としての道徳観念では残るのかもしれませんが、他者をいたわる気持ちや自分の心の痛みはリンクするのでしょうか?
そう、共感や共鳴が子どもからわきあがってくるかなんですね(これが情操教育)
大人がもっともらしい言葉を教えるよりも、こちらの方が大切なんですね。
人は、いろいろな動物の命を奪って生きながらえてきているわけですが、それはどんな生命もおなじなんですよね。
だけど、せめて、子ども時代の生き物の命を奪うことへの心の痛みの感覚がそのまんま大人になっても続いて、むやみに生き物の命を奪うような大人にならないで、と、祈らずいられなかった、先生のセミナーでした。
へちまこにも男の子が二人いて、一時一過性の反抗期があって、何かいえば「くそばばぁ」だの、「うざい」だの言われましたが、彼らが自分の家の犬にやさしく触れるのを見るたび、「たぶんこの子たちは大丈夫だろう」と、思いました。
どこかで動物たちは必ず介在しているもんなんですね。
では。
的場先生、有意義な時間をありがとうございました。
甚だ短いご報告ですが、へちまこの記事とともに
タロー主さんのすばらしくまとめてくださった関連記事を講読くださいね。
http://blogs.yahoo.co.jp/taronusi ←こちらです、よろしく。
タローの主さんへ。
ご聴講、ありがとうございました。
へちまこが記事にしなくてもよいので助かりました~ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ
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2010年10月16日(土) 「第26回 かわさき犬・ねこ愛護ボランティア主催セミナー」が神奈
川県川崎市で行なわれました。 そして私は、このセミナーを聴講をしてきたので報告致します。
セミナーのタイトルは・・・
「動物を介在させた子どもの教育」
講師:的場 美芳子氏(ひとと動物のかかわり研究会副理事)
ひとと動物のかかわり研究会HP http://www.yourou.com/director.html
なお、セ..... [続きを読む]
» 動物介在教育のセミナーを受けました♪ 【その2】 [【紀州犬】犬と歩けば棒にあたる!【一期一会】]
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子供の学校教育
学校教育では文部省の方針に従った学習プログラムが組まれていますが、その中には道徳教育と情操教育が
含まれています。
【道徳教育とは?】 善悪を区別する能力、判断力を教える。
【情操教育とは?】 感情を豊かにする。
..... [続きを読む]
ありんこや小さな虫を潰す。。。幼児のこういう行動に焦ってダメよ!と叱ったり、最初から『みんな生きてるのよ、殺さないで』と教えたくなるんですよね~。でも私も、幼児のこういう行動は発達上必要な経験だと聞いていました。
生活を通して、生きている状態と死んでいる状態を子供が実感できることが大切なんでしょうかねぇ。私の父が亡くなったときに、まだ小さかった娘と甥は、隣で、お互いの顔に白い布を掛けて「お葬式ごっこ」をしていました。不謹慎だ!と怒る親戚もいましたが、これはacting out、疑似体験をして大好きな祖父が死んだことを消化しようとしていたんですよね。
子供も犬も(おっと同じレベルで言うと嫌な人もいるかも)自発的な行動を大人の価値観で否定しては、その子の核となるものが育たないと思います。
うちは動物が介在しすぎる家庭ですが(笑)、娘はとても自然に犬猫と付き合っています。構い過ぎずに非常にさらっとしています。他所の犬猫にもやたら触りたがらないのも良いと思っています。真の意味で動物に優しい人になって欲しいです。すみません本題からずれましたね(笑)
投稿: ルークママ | 2010年10月19日 (火) 09時25分
小学生の子供と共に犬を飼っている私にとって、とても興味深いお話でした。
大きなことは出来ませんが、まずは我が子から…
と言う感じで、参考にさせて頂こうと思います
投稿: マリリン | 2010年10月19日 (火) 14時22分
ルークママさんへ。
本題からずれたのは私かもしれません
今回のセミナーで私が記事にした部分、家に着いてからもリフレインのように心に響きました。
答えを教えることは簡単だけど、子どもの心から沸きあがる心の痛みは、言葉では教えれらないものですよね。
それは自分で命を奪ったことを経験しているか、していないか、だと思いました。
死があるから、生が生きていると、どこかに書いてあったかな~。
本当にその通りですよね。
投稿: へちまこ | 2010年10月19日 (火) 21時47分
マリリンさんへ。
お忙し中、ご聴講ありがとうございました。
現在進行形で子育て中なマリリンさんには共感する部分が多いセミナーでしたかしら?
マリリンさんのお嬢さんたちも、いつかとっても身近な大切なものの死を経験することになるけど、死を教えることでそのペットの役割は昇華すると聞いたことがあります。
その日までたくましい生を、マリリンさんの犬たちが教えてくれますよ。
投稿: へちまこ | 2010年10月19日 (火) 21時54分
セミナーのご報告ありがとうございます!
タローの主さんのサイトも引き続き読ませていただきます。
投稿: qoomama | 2010年10月20日 (水) 12時50分
qomamaさんへ。
コメレス、遅くなっゴメンナサイ。
セミナー当日、お会いできるかなってかすかな期待はWさんとしていたのですが…
どうぞ、お身体ご自愛してくださいね。
タロー主さんの記事、よろしくお願いします。
投稿: へちまこ | 2010年10月21日 (木) 17時01分
遅ればせながら、記事の紹介をありがとうございます。
せっかく紹介して頂いたものの、続きの記事をすぐにアップ出来ずにいたので、ちょっとしたプレッシャーを抱いておりました。( ̄Д ̄;;
そしてようやく書けたものの、期待していた方には待ち呆けうけてとなって、忘れ去られていそう・・・(´・ω・`)チーン
投稿: タローの主 | 2010年11月 6日 (土) 02時03分
タローの主さんへ。
いえいえ、こちらこそ。
トラバもしていただき、さっそく拝読させていただきました。
コメントを入れようとすると、ログインしてからとか言うメッセージが出てしまいコメントできませんでした。以前はそのようなことがなかったので?です。
主さんの記事は読み手にもわかりやすくて、へちまことしてもお手本になりますよ。
主さんに○投げして、ああ、良かった~
ありがとうございました。
投稿: へちまこ | 2010年11月 6日 (土) 22時41分