犬の視線が釘付けになってしまう前に。
飼い主さんの顔を探せゲーム が、いまいちわかりづらいとのことで…画像を見つけたのでちょこっとお伝えします。
「へちまこの顔を探せゲーム」に興じるリデルとチェシア。
これも人が犬にアイコンタクトを求めすぎないように、自発的な犬からのアイコンタクトを促すことのできるゲームです。
ダンバー先生のセミナーを聴講した人なら、一度は聞く、ダンバー先生のTrainingテクニックのひとつです。
こういったテクニック的なことは、実際にダンバーさんのセミナー出てないとわからないし、ダンバーさんの本を読んでいるだけでは伝わってはこないことでしたね~。
正面切ってで、犬の名前を呼んで食べ物チラつかせて、というテクニックに比べると、こちらの方が犬にわかりやすいと、へちまこは実践してみて初めて分かったことです。
犬の興奮や吠えを抑えるために食べ物を出して、飼い主に注目(いやむしろ食べ物に注目させるといった方がいいのかも)させてしまうと、犬に視線は固定させるということを定着させてしまいがちになります。
犬は、もともとチラ見の生き物。
視線を相手からずらすことで、カーミングしカーミングされる関係だと思っています。
だけど、ニンゲンは、「怖いならこっち見てなさい。」
「こっち見てた方がよいことあるよ~」と、犬に教えがちに。
その弊害が、アイコンタクトを求めすぎる犬となり、怖いもの、苦手なもの、嫌いなものからも視線を外せなくなってしまうと思うのです。
そして、自分でいやもの怖いものへの距離の取り方さえも分からなくなり、気がつけば容易に相手のパーソナルに踏み込んでいたり、または自分で逃げ道を選択できずにパニックを起こしたりしているのかもしれませんよ。
たまにね、出会う方でミニピン2頭の方がいるんですが、すれ違うとときにギャン吠えするんで飼い主さんがいつもスマナソウニにするんです。
彼らが言っていることは、この黒いの(チェですね)に近付きたい、この目つきが鋭いやつに(リデですね)近づいてみたい…なんですが、飼い主さんは2頭のあまりの激しさに何が起こるかわからないので足早にすれ違うだけでした。
ある日、その日もすれ違うときに、飼い主さんはどこで仕入れてきたのか食べ物出して、犬たちの気を自分の方に引きつける、ということをしようとしていました。
大きなジャーキーなようなものを食べさせながら「いい子ね~こっちみてね~」と盛んに声かけもしています。
道を挟んだこっちとあっちですから(それでも比較的広い道路)ですが、この子たちにはそれでも吠えてしまう距離でした。
一時食べ物に集中して飼い主さんにアイコンタクトをしているかのように見えたのですが、距離が一番狭くなるところに差し掛かった時にギャンギャンが出てしまい、そのギャン吠えの興奮した状態なのにぃ~
その子たちの視線の先にいるのはリデルとチェシアなんですが、そのフタリに集中しながらジャーキーをかみちぎりながら( ̄◆ ̄;)食べていました。
何か別なものを強化していると感じた方は、この方法がこの犬たちに合ってはいないんだと思いますよね。
もちろん、この飼い主さんも悩んだ末にこの方法を自分なりに取り入れて頑張ってらっしゃるのは分かります。
でもこの子たちの本当に欲しいものは?
この子たちの望むものは?
食べ物ではなくて、同族との接触や、匂いや、交流なんですから。
もし与えられないものなら、ぐ~~~んと距離をとり、犬が吠えていない状態をほめ、人がその吠えないという状況を作り出してあげ、その環境をリードする必要があります。
興奮や、恐怖や、ストレスを感じてはいない、フラットな情動で食べ物でもほめ言葉でも与えればいいのですが、興奮や恐怖の対象が徐々に近づいてくるという状況なら、視線を固定するより、犬が自分で距離を感じられるチラ見を教えてあげてほしいし、自分で苦手なものから視線を外す、という自制を教えてあげてほしいと思っています。
とかく人が犬に求めるアイコンタクトは、どうしても犬にある物に視線を固定してもいいと、凝視していいと教えがちになってしまうのではないかと思うのです。
フリースラインドハーネスは(以下、FLH)その形状からは犬がいくらか人より先行して歩く形になります。
だから犬の視線は常に飼い主から外れることになります。
へちまこがリデルにもチェシアにも教え続けてきたことは、後方から付いてくるへちまこに視線を投げかけることでした。
数秒~数十秒に一回のこともあれば、数分に一回(これは稀)、必ず自分たちでへちまこに視線を投げかけてくれます。
特にチェシアはこれが近ごろ高確率で現れるようになりました。
子犬期の名前呼んで報酬から、自分で振り向けたら報酬へ、そして、リードは張ったら止まって振り向くから、リードが張る前に気づいてへちまこ確認ができるまでに、なんと、なんと、人側の努力と忍耐と根気の日々…それでもまだまだ確実性という服従になるまで、時間はかかるのですが。
そう、へちまこの声が、いつでも犬の心に、脳みそに、響くようになるまで…
何か見慣れないもの、対処に困るもの、自分で判断して動いていいのか、と、許可をもらうときにも、後方支援の飼い主に送る視線は大切なものだと思いますよ。
そしてね、FLHを装着したから、犬が興奮しなくなるとか、制御できるとか、人のいうことを伝えやすくなるとか、は、期待できません。
むしろ気の遠くなるような(強制訓練に比べ)繰り返し犬に教える日々になりますから。
犬の自由な動きと、犬語と、そして人が体罰や強制に頼らずに、また過剰なおやつ作戦にも頼らずに…だって最終的には、ダンバー先生も、テリー先生も、アンジェラ先生も、食べ物がなくてもいつかは犬とのコミュにケーションがとれるようになってほしいという方針は変わらないと、へちまこは思っています。
そうそう、ミニピン達とリデルたちは犬友になったですよ( ^ω^ )
へちまこ思いきって、お声をかけてお知り合いになりました。
チェは、この子たちが吠えていても平気で近づき匂いも嗅がせてくれます。
そしてちょこっと走ります。
リデルには、行儀が悪いと、叱られてしまいますが、リデルをみても視線を外すようになりましたし、受け入れてくれない相手もいる…だから自分で視線を外すという、自制をかける…これって本当に大事ですね~。
飼い主さんはいい人で、犬たちはギャンギャン吠えますが、その吠え声も変わり始めました。
正常な要求吠えになりました。
興奮していない、要求吠えです。
ここからが一歩です。
要求吠えをしていたら、犬友との交流は与えられない、と、飼い主さんが毅然とした対応をし、犬たちに「どうしたら、この人を思う通りに動かせるのぉ?」を、考えさせることができればいいのですから。。。
それこそ、Thinking Dogであると思うのです。
へへへへ~、みつけたみつけた、ねぇねぇ、ここにいますよ~あたちたち。
うんうん、かわええのぉ~きみたち❤
こういったことね、食べ物はもらえるけど、食べ物に執着しているだけではないの、って、わかる視線だと思うのね~(* ̄ー ̄*)
では。
« 恐いから、やめてってば! | トップページ | ハーネスでもカラー(首輪)でも… »
「ハーネス&ロングライントレーニングについて」カテゴリの記事
- 夏のハーネスのこと。(2019.07.07)
- Tell Meの前に過剰反応を極力軽減しておくことがミソっ!(2019.05.28)
- Tell Me!ちょっとギラギラとした目でいろんなもの見ちゃう犬たちへ。(2019.05.25)
- カッコよく歩く?・・・(2019.05.22)
- 10月24日、11月3日にハーネス&ロングライントレーニングを実施しました。(2018.11.07)
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
明けましておめでとうございます。
オーストラリアンケルピーのしゅうちゃんの同胞、アルカンジュの母です( ^ω^ )
去年、しゅうちゃんの『犬の砂場』での姿を見て微笑ましいながらも我が子の「アルの犬語は大丈夫だろうか?」と考える日々です。
こちらを拝見するようになってからずっと気になっていたフリースラインドハーネスを年が明けてからネットでイギリスから購入をして昨日届きました(v^ー゜)ヤッタネ!!
本当はへちまこさんの方から直接購入出来れば良かったのですが。。。距離的に無理なので★
アルはハーネス自体が初体験!どう使って行って良いものやらと考えています^^;
へちまこさんやリデルちゃんに直接会って御教授願うには遠すぎるのが残念(ノ_-。)
ですが、主人と相談して春以降でお願いできればと話しています。
遠くてもアルのためならとバカ親2人頑張ってみようかと・・・(^-^;
ご都合とかTraining予定など宜しければ教えて頂けますでしょうか?
最近のアルの様子などはブログにちょこちょこアップしておりますので、宜しければご覧下さい♪
投稿: 月姫 | 2012年1月16日 (月) 21時15分
月姫さんへ。
はじめまして、こんにちわ~。
コメントありがとうございます。
ケルピーとお暮らしなんですね。
ブログの方にもお邪魔して、『あら、しゅうちゃんによく似ているわ~』と思いました。
アルカンジュちゃん、犬語だいじょうでしょう。
ケルピー達は、大げさな表現をする子が多いと思いました。
ニンゲンでいえば、大きな声でお返事します、ハ~~イっ
といった感じです。
だから何を考えているのか、わかりやすいと思いますよ。
でも中にはその大げささが気に入らないと、なる犬もいますので、
相手の犬語をようすを観て、近づけるようにしてみるといいですよ。
それからハーネスは、FLHなら、犬が先行する形で歩いてくださいね。
早く歩かないからと、人が前になってハーネスを引き上げるのだけはやめてくださいませ。
すっぽ抜けることがリますから。
それからハーネスのDカンとリードのナスカンのサイズが合わず、ナスカンのレバーの部分がDカンの中に入り込むような場合は、ナスカンが開いてリードが外れる危険性がありますから、よく観てあげてくださいませ。
まずは、どこか広いところ、他の人や犬に迷惑にならないところで長めのリードをつけて、ゆったりした気分でお散歩をしてみてくださいね。
そして、リーが張ったら止まる、止まるといくらかリードが緩みますから、いい子ねと言って先に歩くことをほめて、先行すること、お散歩を継続することを促して下さいね。
こちらへお越しになる、壮大な計画、実現、お待ちしてますよ。
メールにて、今後の予定をお知らせしますね。
FLHのトレーニングで分からないことがあれば、お気軽にメールくださいませ。
では。
投稿: へちまこ | 2012年1月20日 (金) 12時11分