おたがいが、Teaching Dog。
なによ、あのおじさんは!このかわいいチェっちゃんを拒否るなんて・・・もう、チェっちゃん、しらないもんね(`ε´)
12月2日に「プチ犬の砂場」を開きました。
四国犬のクリオ君は保護犬です。
歳は、5~8といったところだそうです。
擦り切れた首輪をつけたまま放浪しているところを保護されたそうです。
個人保護をしているボランティアさん宅で、4頭の先住犬とそつなく暮らしているのですが、どうしたわけか、他の犬を観ると興奮し、攻撃的な行動に出るといいます。
その攻撃的な行動が、本当に危険な攻撃なのかをチェシアとの交流で観察することにしました。
チェシアは、自分に自信がある犬です。
良くも悪くも、あたちを嫌うはずがないわ、という自信です。
それがすぐに相手のパーソナルに入り込み、そのまま自分のペースに引き込もうとするのがチェシアの問題な部分でもあります。
上の写真も、わたしチェシア、オジサン誰?と勢いよく挨拶に言って、オジサンがブッたまげて、なんだお前はっ!と、拒否られて、少々、ご機嫌斜めなチェシアです(*^-^)
あれ、もすかすたら?若い娘?(クリオ君は天然♂、フィラリア強陽性のため治療中で去勢を見送っています)
「オジサン、チェっちゃんの匂い嗅ぐといいよ、落ちつくよ」
時間をかけて再チャレンジ、再々チャレンジ・・・匂いかぎにガツガツ感がなく、とてもジェントルマンなクリオ君です。
チェシアも、一度拒まれても、同族に対する愛着がクリオ君を受け入れてくれます。
四国犬のクリオ君は、実はとても同族に興味がありますし、どうにかコンタクトをとってみたいと常々思っているようです。
だけど、今までどこかの庭先につながれて飼われていたようで、犬語の表現が乏しい、ただそれだけなのです。
相手に近づきたくとも、どこかケンカ腰のような唸りやガナリが出てしまうだけなのですが、それを攻撃的な行動として捉えられてしまうようです。
そしてその行動が危険だとされ、同族と交流する機会を奪われ、ますますフラストレーションが溜まり、そしてそれがストレスとなり吠えかかり等の過剰反応を起こさせるのです。
同族との交流する機会を与えて、失敗しながらも同族を求める要求を満たしてあげるか、その機会を与えずに人間の管理下に置き、交流せずとも人と楽しく暮らしていけばいいんだよ、と教えればいいことなのですから。
この部分は、飼い主が決めることだと思います。
でも、クリオ君の仮の飼い主さんは、クリオ君が何を言いたいのか、そして本当に同族に対して攻撃をしてしまうのかを確かめたかったのです。
その場をご近所の犬でで確かめて、万が一なことがあれば、譲渡にも差し支えが出てきてしまいますし、クリオ君をわかってあげたくともできないままになります。
同族には近づけるなというアドバイスしかできなくなるかもしれません。
そして、この同族に近づけるなが、犬が唸るたびにリードを強く引くということを起こさせ、犬にストレスを与えがちになるのです。
クリオ君は、初対面ではすぐに相手を受け入れることはしない子ですが、時間と相手を選ぶことで、同族との交流の輪を広げていくことのできるタイプということになります。
へちまこは、チェシアがメンバーになってくれたことで、リデルとは違うコミニュケーション・クラスを提供できるようになりました。
リデルは、チンピラ化した身の程知らず(自分の限界を知らないということです)の若オスや、子犬ちゃん(チェシアは子犬ちゃんはあまり得意ではありません)のTeachingにはもってこいのタイプですが、クリオ君のように、年相応の犬語が拙いタイプにはかなり厳しい相手になってしまいます。
チェシアは、相手からの拒否があっても、相手が望めば受け入れてくれる博愛主義なのです。
クリオ君のようなタイプには、チェシアのようなTeachingができる犬がよい結果をもたらしますし、、この日、チェシアもクリオ君から多くのことを学ばせてもらいました。
洋犬なら、チェシアの最初のフランクな挨拶でも大丈夫だったかもしれませんが、日本犬の、しかも、今まで犬との接触がなかったであろうというタイプから、慎重に挨拶をするということを学ばせてもらったのです。
その点では、この日は、おたがいがそれぞれをTeachingしているということになりました。
相手の顔が近づくと、ウーウー唸っていたクリオ君ですが、唸ってしまうと相手が離れていくということがわかりだし、唸らずに(相手を威嚇せずに)近づくということで、受け入れてもらえることがわかりだしてきました。
同族との交流が希薄だったため、うまく自分の気持ち(本当は匂いを嗅ぎたいんだよ、誰だか知りたいんだよ、自分を知ってほしんだよ・・・)を表せないでいた、クリオおじさんの望みがかなった日です。
同居の犬たちとはそつなくできるのは、礼儀正しいクリオ君は自分が新参者であると、わかっていてわきまえているのかもしれません。
だからと言って、他所の犬とうまくいくとは限らないのです。
人間の子どもも、兄弟とはうまく遊べるけど、幼稚園や保育園では、すぐにケンカになる、話しかけれないということがあるそうです。
つまり、これも兄弟や家族だけという社会しか知らない、社会化不足のひとつかもしれませんね。
チェシアの耳、クリオ君側の耳は、反対側の耳より折りたたみ角度が深いですよね?
これも、犬語です。
チェシアの相手への気遣いです。
より、自分は安全である、脅威ではないと伝えている耳だと思われます。
また相手への敬意ですね。
これより一つ上の写真だとよくわかります。
フタリには何か興味を引くものがあるので、クリオ君は耳も全身もそちらに気がいっていますが、チェシアのクリオ君側の耳には、クリオ君への配慮を表しています。
そしてこれが自分の身を守る、相手への宥和的(なだめ)犬語なのです。
この宥和的な犬語は、以前は積極的服従という表現をされていたし、へちまこも使っていました。
でも、今は使うことはありません。
この宥和的という表現が、人間が犬に対する誤解、犬を服従させなくてはならないんだということから、犬を支配下においていいんだということから、犬も人も解放することができると思うのです。
多くの犬語を知るとこで、人と犬との関係がよりよくなることを、へちまこは願っています。
クリオ君、口に緩みが(o^-^o)
では、オジサンクリオ君、どうもありがとうございました。
チェシアと、またデートに来てね。
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