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2014年6月23日 (月)

シロ君の話しをしようじゃないか・・・

Img_20140206_183336
シロくんのご報告をしよう。

さぼり気味のブログだけど、書きたいことはたくさんあるのにPCの前に座るのがなんとなく億劫という日もあって・・・

それでも、へちまこの日常はあいかわらずな活動に変わりはありません。

で、シロ君は?どしたの?

ということで、尻つぼみなシロ君のことなりそうな感が漂っていた・・・(;´▽`A``

とんでもない。

センター収容犬のシロ君は、少しずつだけど、その小さなステップを確実に上ってくれていたのです。

殺処分ゼロは簡単なことで、殺さない施設はいくらでも作れる。

収容される動物を養えるお金さえあれば、彼らを生かし続けることぐらいはできるからだ。

でも、それで、そのままずっーーーと、そこへいれば幸せなんのだろうか?ということを、考えれば、どんなにきれいでステキ施設になろうが、監獄のような暮らしには変わりはないわけだ。

施設がきれいになって、清潔感あふれるセンターは誰のためにあるのか?

へちまこは、思う。

どんなにきれいになろうが、市民が来やすい施設になろうが、棄てられる動物が減らない限り、人気のないセンターの夜を幾日も過ごさなければならない動物たちは減ることはないんだと思っている。

おっと、いけない・・・シロ君のことを話そうじゃないかだった。

今年の暮れが来れば、シロ君の収容日数は2年になる。

紀州犬のシロ君は、たまに奇襲犬になるから、譲渡するにはリスクがあったからだ。

川崎のセンターは今年殺処分ゼロを達成したということで、少々、騒がれていたけど、現場の人間にとっては少々困惑なことでした。

なぜなら、川崎市のセンターは殺処分ゼロを目標にしていたわけではないから。

わざわざ殺処分ゼロを掲げてガンバッテきたというわけではないことを、このブログを訪れてくださる方にはお伝えしておきたい。

ただ、シロ君の収容日数更新は、公的なセンターが殺処分しないという選択がどのようなことかを知ってくれるきっかけになってほしいと思っています。

シロ君の毎日は古典的条件付けを使った再社会化とストレスマネジメント・・・どちらかというとウエイトはストレスマネジメントだ。

昨年6月に、サリーが訪問してサービスでシロ君を観てくれたときから、ストレス軽減を主体に再社会化してきた。

家庭動物として過ごさせるには、センターはイレギュラーなことが多すぎる環境であることを否めない。

シロ君は毎日が不安で、その不安な毎日の心を慮ればトレーニングや何かのしつけにありがちな、スワレやフセを教えることは何の意味も持たない。

良い犬、人間の言うことをよく聞く犬が良い犬であれば、シロ君は聞き分けのある犬になるのだろうと思う。

なんでも、ハイ、とってやってくれるのではなく、嫌なものは嫌だよと、彼なりに言えるようになってきた。

犬の自由な発言を許すことは、不安からくる犬の過剰防衛をさせなくて済むからだ。

それも、ストレスを軽減するという方法が彼の犬語を回復させてきた。

シロ君は、皮膚病のことがあって、大きな獣医科の診察を受けるために、職員さんのお家に数日ホームスティしたことがあった。

神経質なところでは、環境の急激な変化に弱いだろうと思われていたシロ君だけど、シロ君は、センターにいるときとほぼ変わりなく過ごし、職員さんの家の周り散歩コースにも、お尻尾は下がらなかったそうだ。

むしろ、ルンルンとお散歩に出たという。

違う獣医での診察も嫌そうな顔をしてはいたが、ちゃんと見せていたそうだ。

シロ君は、いつの間にか、自分で決めたことに関しては、寛容で寛大な犬になれるようになっていたのです。

こんなにどこでも見せてくれる紀州犬はいないといって、いろいろな獣医さんが代わる代わる診に来たといって、職員さんも困惑したそうだ。

その話を聞いて、もしかしたらシロ君の回復は私たちが思っていた以上にあるのではないかということで、リデルに会わせてみることにしました。

残念ながら、センターへ収容される犬のほとんどが、興奮性の高い個体、犬に社会化されていないし、ご近所散歩で行き交う犬たちも、シロ君を見ると猛然と吠えかかり、それに応戦してしまうので、犬に対する社会性がどうなのかがわからなかったのです。

リデルに初めて会ったシロ君は、誰だろう?

リデルは、静かに佇んでいただけで、とりわけシロを危険視する風もなかった。

リデルが歩きだすと、その後ろを追って、鼻鳴き(センターSさんの話しではどうも私の後を追っているようだったらしい)しながら追ってきた。

ファーストコンタクトはフェンス越しで、好きなように対面させると、シロは吠えかかるということもなく、リデルも落ち着いてシロが近づくのをフェンス越しに受け入れて、本当に数センチまで近づき、お互いの匂いをかんではいたけど、シロ君の先制の威嚇があった。

いつもならその不安からのストレスで、周りへの奇襲があるのですが、シロ君はSさんの声かけで落ちつきを取り戻すのも早く、その後は、お互いのカーミング・シグナルの出し合いで争いを回避していました。

それが、感動ものだったのです。

犬を知っているモノが見れば、このフタリのサイレント・コミュニケーションの世界に感動モノなのです・・・

この様子は録画にとってあるのですが、残念ながらプライバシーの関係でFBでの限定公開で一定の人にしか、見せることができません。

ある学会の先生に観ていただいたら、これは感動もんよね・・・こういったことをわからない人は多いから・・・という感想までいただいた。

シロ君の犬語の回復は、これから人間との暮らしを目指してもいいという、ひとつの指標にもなるので、うれしいこの上ない。

おかしいじゃないか、人間と暮らすには犬語は必要ないのではと思う人は、この犬語の回復の大切さはわからないでしょう。

犬語を知るということは、犬との争いを回避できるばかりか、その犬を安心させることができるのです。

私たちがシロ君に行ってきたこと・・・

首輪よりもハーネスを・・・

訓練やしつけよりも、ストレスマネジメントを・・・

即効性よりも小さなステップを必ず上れるようにする確実性を・・・

急がば回れ・・・であること。

殺さない施設の内庭で行われていることは、確実にひとつの命を、この施設の外へ出すことであり、その動物が人間社会において安心で安全であり、その動物にとって人間社会が安心で安全であることを伝えることではないかと、シロ君との関わりで、思うのでした。

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シロ君にも、いつかこうして、アホノ子のように眠らせてくれるお家が見つかりますように・・・

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