10月18日、川崎市動物愛護センターでの譲渡会でした。
お、きょうはなんだかひとがたくさんくるぞ・・・と思うのかのシロくん。
10月18日は、川崎市動物愛護センターでの譲渡会でした。
市公認のボランティアの会員になって、センターへ関わるようになって、数十年、川崎市動物愛護センターは確実に広く開かれた行政施設になりました。
数十年前では、公示期限の切れた保護動物や飼い主持ち込みの飼育放棄動物は、殺処分の運命にあり、文字通り、殺すための施設に他ならないものでした。
真冬でも水浸して清掃される床の上に震えながらたたずむ犬、大きな怪我や病気でもたいした治療もさない動物たち…
へちまこの靴の匂いを嗅ぐシロくん・・・蹴られていたのか足を嫌ってたけど・・・
職員もあまり関わらなかったのは、情をかければかけるほど辛くなるから。
ふれあい事業の犬たちのトレーニングもチョークチェーンが当たり前でした。
それが少しずつ改善され、床は水浸しにならなくなり、洗われた床はきれいに吹き上げられ毛布が敷かれるようになりました。
ふれあい事業犬以外の収容犬も施設外へ散歩に出られるようになり、怪我や病気は手厚く治療も看護もされ、ミルク飲み子猫はミルクネコボランティアを募るようになりました。
フードは個体に合わせて揃え、保護された犬にはストレスマネジメントが徹底され、保護、放棄された犬のすべてが譲渡対象犬となり、そのためのトレーニングにはチョークチェーンでの嫌悪刺激を使う訓練から、ハーネスと正の強化を使うトレーニングに変換していきました。
なかでも、ストレスマネジメントに関しては職員、ボランティアの並々ならぬ努力もあり、他の行政施設には見られない愛護センターとなりました。
ここへ収容される動物は、飼い主が捨てた厄介者ではなく、その次に繋げる生かされるべき命であるなら、手厚くケアをされるべきであるというスタンスは、市民の一人として誇りに思うことです。
私の担当する紀州犬のシロも、昔なら殺処分を免れることができないはずでした。
元の飼い主の意図しないシロに対する心身的な虐待は、酷い人間不信として表れていました。
トレーニングの前にとにかく人間へのストレスや犬らしく行動できなかったストレスのレベルを下げることを優先してきました。
ちょうど日本に来てくださったサリー先生にもシロを見ていただいて、犬舎でのストレスマネジメント、散歩でのストレスマネジメントを教えていただいたことは、今でもシロ以外の犬たちにも効果的なツールになっています。
センターでの暮らしが長引けば長引くほど、犬という社会動物はストレスを抱えてしまいます。
そのストレスを極力低くするためにも、トレーニングよりもストレスマネジメントによるリハビリなのです。
愛護センターへ保護される動物たちは、自分の意思とは関係なく収容されます。
前歴がわからない保護犬は、満たされない生活を送ってきた場合もあります。
その満たされなかったモノを取り戻せるようになる頃、犬たちには穏やかになるようです。
シロは、今年でセンターでの暮らし3年目を迎えます。
和犬にありがちはワンオーナードッグでありますが、穏やかで坊っちゃんな紀州犬です(笑)
恐怖からの攻撃と突進は、ここ数年のストレスマネジメントとBATにより、自分からそこから遠ざかる、回避するを選択できるようになり、少しずつではありますが、出遅れた社会化の階段を登りだしています。
川崎市動物愛護センターは、殺処分を全くしないという施設ではありませんし、それを目的にしているわけではありませんが、殺さないですむ目標は高く持ち続けているセンターなのではないかと思うのです。
おれ、よゆうでしらないひとみにけるぜ・・・
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