犬たちにエンパワーメントを!BATは相手も救う
前回の続きになります。
BATは都会では無理、非現実的、といわれる人も多いのですが、そんなことはないと思います。
都会こそ、至る所に回避行動や過剰な反応を起こさせない工夫ができます。
BAT環境のコツさえつかめば、人の介入の多い過剰な無理やり回避させるような刺激は必要なくなります。
BATがうまくいく、環境を整えるのが、黒子(飼い主またはハンドラーのこと)の役目なんです。
BATは、実験室を作るようなものとお伝えしました。
なので、犬が自ら、冷静に状況判断ができるようにハンドラー(飼い主)が実験室の環境を整え、成功するようにします。
散歩しながらも、頭の中では常にシュミレーションを組み立てます。
いつ何時対象物が現れるのか、わかりません。
だからと言って、緊張していては失敗させてしまいます。
まずは、ハンドラー(飼い主)がガチガチでは困りますから、初めのうちはなるべく対象物の少ない時間帯を選ぶ、お散歩コースを組み立てます。
ハンドラーが失敗しない環境作りも大切になります。
いつも同じ時間で同じ散歩コースで犬が過剰反応を起こしていたなら、きっぱりとその時間とコースは棄てましょう。
なぜなら、犬がすでに何回も反応をしているからです。
そして、回避に利用できるものはすべて利用します。
たとえば、駐車中の車、植え込み、枝道、道路の反対側、街路樹.......
こうしたものを犬と歩きながら、「今犬と出会ったら、どれが利用できるか」を考えるわけです。
また、自分たちが対象のものの風上か風下にいるかも、重要な情報になります。
特に同族への過剰反応のある場合は、浮遊臭には注意が必要ですが、私たちは犬ではないので匂いはわかりません。
わからないので、自分の犬の行動をよく見るわけです。
そして、犬よりも早く対象物を見つけなければなりません。
スマホなどやってる暇はないのです。
犬が匂いに夢中になっている間も、刻々と変る環境に注意を払います。
特にリードの長さ調節には気をつけ、手はリードを扱うので始終動くはずです。
回避行動をうまく犬にやってもらうには、リードの扱いはとても大切になります。
地面の匂いをかんでいたら、ふっと犬の視線が上にあがって、鼻をひくひくさせる、遠くを見る、耳を動かす、胸が膨らんだり縮んだり等の見て取れたら、周囲をよく見てください。
犬に過剰反応のある犬には、散歩で出会う犬すべてがデコイになります。
これは、相手の犬にも過剰反応がある犬なら、相手にとっても良い対応になります。
お互いを過剰反応というストレスから救うことになります。
そのよい例が、先日のチェシアの自己回避スキルです。
相手には、激しく同族に吠えかかるという過剰な行動があります。
飼い主はそのことをそれほど重要に考えていません。
これは致し方ないことですので、こちらが注意するしかないのです。
散歩で幾度かこのペアに出会ったわけですが、その出会う都度に私たちはこのペアを回避してきました。
時にはUターンで、時には道をそれ、時には路駐の車の陰に隠れ・・・(笑)
すると、近ごろはトイプーの飼い主さんがこちらを避けるようになってきましたヽ(´▽`)/
以前は、激しく吠えかかる前傾姿勢のまま、歩みの速度を落とさず向かってきてすれ違おうとするのです。
うちの犬以上に、このすれ違いに対してのストレスを感じているし、過剰反応は繰り返せば繰り返させるほど、激しさと強さと速度を増していきます。
私たちが、幾度も回避行動を選択するうちに、トイプーの飼い主さんも距離に気をつけ、近づかない、すれ違わないを選択するようになりました。
ただし・・・遠い噂で、私たちは感じの悪い大型犬の飼い主ということになってしまっているようですが・・・(;´▽`A``
けして、そうじゃないんですがね~~(笑)
犬友、少ないのです、私たち・・・
いえいえ、犬友を作るために犬と暮らしているのではありません。
私たちは、共に暮らす犬たちに毎日気持ちの良いお散歩をしてもらいたいだけなのですから。
そして、暮らす環境の犬たちにも気持ちの良い環境をと思うのです。
たぶんあのトイプーも自分で回避するという選択をするようになるなるでしょう。
そこまではいかなくても、飼い主さんが気を配ってくれるようになっただけでも、あのトイプーにエンパワーメントできるたのではないかと思っています。
犬たちに行動を選択できる力を与えたまえ・・・
では・・・・
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